ちょっぴり怖くて懐かしい、うえののそこから<はじまり、はじまり>荒木珠奈展レポ!

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ROSE
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こんにちは、広報・企画担当のROSEです。

今回「うえののそこから<はじまり、はじまり> 

荒木珠奈展」に行ってまいりました。 

 

こどもから大人まで楽しめる、

ちょっと怖くて懐かしい展覧会だそうで

非常に興味が湧いたキャッチフレーズでした! 

 

上野の東京都美術館、 ギャラリーA・B・Cにて

10月9日(月・祝)まで開催されます。 

 

 

 

荒木珠奈とは…

 

1970年東京都生まれ。

へんてこな可愛さと、ゾクっとする感覚が

混ざり合った世界観が魅力の作家。

版画からインスタレーションまで

幅広いアート作品を創り続けています。

 

メキシコでの滞在生活やニューヨークでの

活動を通じて「越境」「多様性」「包摂」

というテーマに関心を持ち、

作品にも大きく影響が出ています。 

 

可愛いとちょっとホラーが好きな方は

作品に釘付けになること間違いなし!

 

 

 

目の前に広がるワクワク!

 

今回、荒木先生がこだわりポイントの一つに

「鑑賞者が参加することで次々と様相を変え、

カラフルで幻想的な展示空間が作り出される

インスタレ ーション」があります。

 

入ってすぐに出迎えてくれたのは、複数の額縁たち。

実は、作品の中にハンドルが隠れていて

オルゴールを鳴らすことができるんです!

 

展覧会ファシリテータの方が

「ちょっとこっちに来てみてくださいー!」

と言ってオルゴールの仕掛けを教えて下さりました。

 

今回の展覧会では、展覧会ファシリテータさんたちから

沢山お話を聞くことができました。

 

《無題》 1995年

 

オルゴールの心地の良い音と共に

荒木先生の世界へ入り込んでいきます。

 

作品風景

 

今回の展覧会では、 約90点の作品を展示。

本展では、作品のタイトル、年数のみで

作品の解説がないので

想像を膨らませながら鑑賞することができます。

 

《Una marcha de los esqueletos》

(ガイコツの行進) 2004年

 

今回、ポスターに採用され

私もかなり気に入っている作品がこちら。

 

メキシコの「死者の祭り」を表しているかのように

ガイコツがポップで華やか。

表情も朗らかで癒しも感じる作品です。

 

 

参加型のアート

 

《Caos poetico(誌的な混乱)》 2005年 東京都現代美術館産

 

カラフルな空間に一歩足を踏み入れてみましょう!

色彩豊かなキューブを観ているだけで心がほっこり。

 

メキシコの貧困層が住む地域から

インスピレーションを経たこちらの作品は、

なんと参加型のアート!

 

 

自分が気に入ったキューブを選び、

点灯することができるんです。

私はこちらのキューブをチョイスしました。

色は点けてみるまで分かりません。

 

 

ブルー!私の髪色と同じ!

キューブの中のアートも全て異なるので

一つ一つの作品をじっくり鑑賞してみてください。

 

《うち》 1999年

 

こちらも参加型アート。

どれを選択するのかは自分次第。

自分が荒木先生の作品を完成させる

キーパーソンになれる幸せな体験でした。

 

どのような形で参加するのかは、

実際に展覧会に行ってからのお楽しみです!

 

 

ちょっぴり怖いダークな展示も

 

《見えない》 2011年

 

「頭上には大きな調和を意味するようなものがある」

とイメージを膨らませていた荒木先生。

3.11の震災後に感じた頭上のイメージは…

 

展覧会ファシリテータさんにお話を聞くと、

原子力発電所の事故によって、

目には見えない危険な物質が身近に存在し、

恐怖心や嫌悪感を感じたことを

メキシコに生息する「リュウゼツラン」

という植物の繊維を染めて表現しているのだそうです。

 

《スキマ》 2011年  《地震の後》1 995年

 

こちらの展示では、

災害をテーマとした版画作品が並んでいます。

 

 

メキシコに旅行した気分に

 

作品風景

 

続いては「サーカス」が

メインとなった展示エリアです。

こちらも、ちょっぴり不気味な作品や

不思議な気分になる作品が登場します。

 

メキシコの自然色に影響され、

初期の作品では赤、白、黒、茶色が多いのだそう。

 

《本の中の劇場》 2009年

 

椅子が四方八方に飛び交っている劇場。

額縁に入っている作品だけではなく、

立体的な作品やインスタレーションなど

幅広いジャンルを楽しむことができます。

 

《一番最初に 道無き道を歩いて行った人の

-どこへでも続く道があって- 》 1998年

 

今回の展覧会では、

メッセージ性を強く感じる作品が多数登場します。

ダークな面を感じながらも、

優しい光が差している荒木先生の世界。

 

毎日忙しなく働き、動いている現代人。

ふと立ち止まって自らを省みてみるのも良いかもしれません。

 

 

ワークショップ

 

 

荒木先生はワークショップなど

年齢性別関係なく、

様々な人がアートと触れ合う機会を設置。

 

過去には、様々な国にルーツを持つ

子ども達向けに「違う文化を持っている。

だけど共通するものがある」

ということをワークショップを通じて

感じることができるようにと

様々な文化に触れてきた荒木先生ならではの

ワークショップが開催されました。

 

 

「上野」から生まれた作品

 

作品風景

 

ギャラリーAに入ると、

不思議な空間に誰もが目を奪われ、

その場から動けなくなる…。

 

ギャラリー全体が暗く、

キラキラと光る鏡のような作品や、

複数の映像が重なって壁に映し出されていたり

地面に浮かび上がる写真。

 

これらは「上野の記憶」に着想を得て

制作された作品たちなんです。

 

《記憶のそこ》 2023年

 

こちらの作品は「Cage」で、

日本語で鳥かご、かごという意味。

(今回の展覧会ファシリテータさんたちも

「Cage」にちなんで「ケエジン」という愛称なんです)

 

守っているイメージもありますが、

閉じ込めていることもまた事実。

考え方も捉え方も人それぞれの

「多様性」を表現されています。

 

上の部分は「誰かが握ってできた形」

をイメージされたそうです。

 

 

実際にケージの中に入ることもできます。

私は包まれている感覚よりも

恐怖!逃げたい!と思いました。

(特に天井部分の無数の鏡が怖くて)

 

この鏡は、真夜中での生物の気配や魂、

闇夜の中に見える動物の目などを

イメージされたそうです。

 

人それぞれ感じ方が異なり

展覧会ファシリテータの方にお話を聞くと

「温かな気持ち」「海の中にいるみたい」

「食べられそう」など様々な感想があったそうです。

 

 

展覧会タイトルである「うえののそこから」は

「上野の底から」という意味なのだそう。

 

この「上野」という街で

生きてきた人や生きものたちや出来事が

作品の中で光り、過去も現在も飲み込み、

そんなインスタレーション《記憶のそこ》

 

是非、会場に足を運んで

不思議な世界観にワクワクしてほしいです。

 

 

うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈展詳細

会期:2023722日(土)~109日(月・祝)

会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C

休室日:月曜日、919日(火)

 

開室時間:9:3017:30

金曜日は9:3020:00

(入室は閉室の30分前まで)

 

観覧料:一般 1,100

大学生・専門学校生 700

65歳以上 800

※高校生以下は無料

 

詳細HP

https://www.tobikan.jp/hajimarihajimari/index.html

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ROSE

美容、筋トレ、HR/HMが好きなディズニーオタク。ROSEといえば派手髪にメタルTシャツ。将来の夢は年齢不詳の美魔女。