【再掲載】イラストレーター要チェック!プロが教えるポートフォリオ作りのポイント

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イラストのお仕事をしているとよく耳にする「ポートフォリオ」。わかりやすく言えば、「自分の能力を周囲に伝えるための作品集」のことです。

 

photo by ぱくたそ

 

「ゲーム会社・イラスト会社用に各案件ごとのポートフォリオを作りたいけれど、どうしたらいいかわからない!」そんなお悩みを抱える方のために、テクノアートのプロ達がコツを紹介しちゃいます!

 

よいポートフォリオが作れたら、イラストのお仕事もスムーズに運ぶかも?

 

ポートフォリオ作成のギモン①何枚ぐらいまとめたらいい?

ポートフォリオでは「どんなイラストが描けるのか」をアピールする必要があります。そのため、枚数はできるだけ多い方が望ましいです。

 


所長「しかし!具体的な案件の相談があった場合は、その案件に合ったイラストを数枚用意したほうが良いですよ」

 

制作を依頼しているクライアント様は忙しい中でポートフォリオを確認するため、5枚程度にまとめるのがベスト。枚数が多すぎるとチェックに時間がかかり、かえって手間になってしまうんです。

 

状況に応じて、ベストなポートフォリオを作れるよう意識してみましょう!

 

ポートフォリオ作成のギモン②やっぱり完成したイラストがいい?

ポートフォリオに収録するのは、クロッキーやデッサンものよりも完成されたイラストのほうが良いでしょう。

 

イラストはワンパターンではなく、表情・ポーズ・背景などにバリエーションをもたせましょう。さまざまなイラストがあると「どんな絵が描けるのか」が想像しやすいので、よりマッチングしやすくなります。

 

ポートフォリオ作成のギモン③細かく描き込むのがニガテなんだけど…

ポートフォリオは言わば、その人の腕をはかるアイテム。当たり前のことですが、全ての工程において「丁寧に描かれているか」が重要なポイントとなります。

 


lemmon「例えば『線画がひょろひょろした線になっていないか』『細かい描写がされているか』『質感を大事にしているか』などですね」

 

 

急ぎでパパッと描いたイラストだと、自分の良さを十分に伝えることは難しいもの。ポートフォリオには、細部までしっかり描写したイラストを収録しましょう。

 


所長「余談ですが……パッと見お上手な方でも、拡大したら『背景が写真を塗りつぶしただけだった』なんてこともありました。意外と細かく見られるので、丁寧でない部分はバレるものですよ!」

 

ポートフォリオ作成のギモン④イラストの種類は偏ってもいい?

一口にイラストと言っても種類はたくさんありますよね。アニメ塗りイラスト、ソシャゲ塗りイラスト、美麗塗りイラスト、厚塗りイラスト、CG(スチルと呼ばれます)、エフェクト付きイラスト、モンスターにアイテム、スーパーデフォルメ(SD)、背景などなど……。

 


所長「ただ複数の種類のイラストが描ける場合は、偏らないほうが良いですね」

 

 

これまでも解説したように、ポートフォリオはイラストレーターの力量を見せつける場。できることや描けるものは惜しまずに、存分に披露しましょう!

 

ポートフォリオ作成のコツ・キャラクター編

ここからは実践編!ポートフォリオの作り方のコツを細かくご紹介します。まずはキャラクターイラストのポイントをみていきましょう。

 

 

ポイント1:全身描写がある

厳密に全身でなくても、「人物のデッサンができているか」がわかるイラストがあると良いです。上半身のものだけだと、「全身は描けないのかな?」と思われてしまうかも……。

 

ポイント2:アオリやフカンなど動きのある構図

案件によっては、立ち絵(棒立ちのイラスト)のみを描くものもあります。しかし、そのような場合でも動きのあるイラストを入れておくと良いでしょう。「ここまで描けるなら、同じキャラの他のイラストも任せられそうだ」と判断してもらえるかもしれません。

 


lemmon「ポートフォリオを作るときは『大は小を兼ねる』ことを意識すると良いですよ~!出し惜しみはNGです」

 

ポイント3:同じようなイラストには要注意

選んだイラストをチェックして、「構図や顔つきが似ているな……」と思ったら要注意。なるべく違ったテイストを選びましょう。

 


所長「個性があるのは良いことなんですが、雰囲気が似ていると『こういったイラストしか描けないのかな?』という印象を与えてしまいがちです」

 

 

また、「老若男女を幅広く描ける!描きたい!」という場合はおじいさん・おばあさんや子どものイラストも入れておきましょう!声がかかる可能性がアップします。

 

ポートフォリオ作成のコツ・背景編

キャラに加えて背景まで描ければ、お仕事の幅も広がります!カードイラストなどでも多少は背景があるものは多いので、ポートフォリオにも入れましょう。

 

 

ポイント

背景が描かれたイラストを選ぶ際のポイントは次の通りです。

 

  • パースが合っているか
  • キャラクターに合った背景は描かれているか
  • ・トータルで色合いのバランスは取れているか

 

 

背景あり・動きありのイラストが描ければ、立ち絵も描けると判断されます。そのためにも背景のあるイラストは入れておいたほうが無難でしょう。

 

ポートフォリオ次第で仕事の可能性も広がる!

いろんなお仕事がありますが、「今回は立ち絵の仕事だから立ち絵を提出しなきゃ」と気負いすぎる必要はないんです。

 


lemmon「もし特定のお仕事をしてみたい場合には、次のことに気をつけてみましょう!」

 

イラストのテイストは案件内容に合っているか?

大前提としてここをクリアできていなければ、お仕事を受けるのは難しいでしょう。アニメ塗りのお仕事に厚塗りのイラストを提出しても、受かる可能性はかなり低いですよね。

 

アニメ原作のもの、既存ゲームの別キャラクター制作、ある程度イラストの世界観・テイスト等が固まっている案件などでは、イラストの個性が強すぎると断られるケースもあります。そのため、ときにはイラストの強みを生かせるお仕事探しも重要になってきます。

 

デッサンや塗りなど、技術面で問題はないか?

「塗りは上手だけど、基礎的なデッサンや線画がイマイチ……」といった場合には、イラストの一部の作業のみを依頼されることもあります。

 

お仕事の幅を広げるためにも、技術面でニガテな部分は克服を目指しましょう!

 


所長「もちろんイラストレーターには強い個性も求められます。自分の描けるものだけで勝負するのも重要なことなので、挙げたポイントはあくまで一例としてご参考にしてくださいね」

 

 

ポートフォリオ一つでクリエイターの印象はグッと変わるものです。作品集で相手にどんな印象を与えられるかも、プロならこだわりたいところ。

 

苦戦しているクリエイターさんは、一度ご自身のポートフォリオを見直してみてはいかがでしょう?

 

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さとうむか

WEBライター・編集として奮闘するゆとり世代。気になったもの、おもしろそうなものを記事にしてお届けします。ジャンルはクリエイターさん向けのものから、生活・仕事・雑学などなど広くやっております。

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