ドイヒーなイラストでもこんなに塗れる!噂の自動着色サービスを試してみた

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2017年1月に公開された自動着色サービス「PaintsChainer」(ペインツチェイナー)。「予想以上にキレイに塗れる」「新感覚で楽しい!」と話題になっています。人工知能がイラストに着色してくれるとあって、次世代感のあふれるサービスですよね!

 

しかし、PaintsChainerはどんな絵でもキレイに塗ることができるのでしょうか?そこでテクノアートでは、社内きっての“迷”画伯のイラストをピックアップ。自動着色サービスがどんな色を塗ってくれるのか、試してみることにしました。

 

ふつうの絵ではつまらないので…

テクノアートには所長をはじめ、イラストレーター経験のあるメンバーが多数在籍しているので、その気になればちゃんとした線画を用意することは可能です。しかし、そこで所長が一言。

 


所長「ハイクオリティな線画を自動着色したものは、すでにTwitterなどでたくさんアップされているんです。今回はそうじゃない、なにか独特なイラストで試してみたいんですよね」

 


Lemmon「それなら、ぽてとさんのイラストがありますよ!」

 

解説しよう!テクノアート公式Twitterでは「天才!ぽてとスケッチ」と称して、ディレクター・紅ぽてとが描くギリギリ許せるイラストをアップしているのだ。これなら、他にない独特なイラストと言えるはず。

 

 

……めちゃめちゃ下手というほどではありませんが、よく見るとツッコミどころ満載なイラストの数々。これは狙って描けるものではないですね。


Lemmon「というわけで、何点か選んでみました。これで自動着色してみようと思います」

 


所長「……改めて見ると、ゆっる~いイラストですね」

 


紅ぽてと「いえいえ、そこが持ち味ですよ所長」

 

絵心ゼロのイラストはどう生まれ変わるのか?

「PaintsChainer」の操作は簡単。「ファイルを選択」ボタンを押して線画をアップロードし、読み込みが終わったら青い「着色」ボタンを押すだけです。

 

 

では、さっそく試してみましょう!ポチッとな!

 

 


所長「おお~!ちゃんとそれっぽい!……それっぽい!!」

 

ご覧のとおり、絵の具で着色したようなやさしい雰囲気になりました。グレーを基調にうっすらピンクも入り、誰がどう見てもゾウさんに見える仕上がりに。

 

 

お次はカバのイラスト。グラデーションもついて、きれいに塗ってくれます。からだにちょっと赤が入っているのは、カバの汗……ってわけでもなさそうですが。

 


Lemmon「カバらしい色ですね~。いい仕事しますね」

 

 

人工知能がこれまでに学習したイラストのデータを参考に、最も適当と思われる色を塗ってくれるのだそう。そのため、線画によってはもっとカラフルになるようです。

 

イカにもやっぱり少し赤が入るみたい。白やグレーだけで塗るよりも、深みが出るような気がします。

 


紅ぽてと「じゃあ、これはちゃんとイカの絵だって伝わったわけですね」

 

あ、あれ…?何かがおかしい

ギリギリな感じのイラストがきれいに着色されるのを見て、テンションの上がるテクノアートの面々。技術の進歩ってすごいですね。

 

しかし、“異変”はほどなくしてやってきました。レッサーパンダのイラストを着色したところ……。

 

 


所長「怖っっっ!!!なにこれ!?」

 


紅ぽてと「レッサーパンダのつもりだったんですけど、おかしいですね」

 

動物園で見る愛らしい姿とは似ても似つかない、ドス黒いレッサーパンダができあがってしまいました。これが立って歩いてきたら怖すぎます。子どもも号泣です。

 

調べてみると、どうやら人工知能が「このイラストが何なのか」を理解できなかったため、ものすごい色合いになってしまったようです。

 


所長「なるほど!つまり人工知能に罪はないということですね。何の絵かわからなければ正しく塗りようがないし」

 


紅ぽてと「遠回しに僕の腕前をディスるのはやめてください」

 

その後もダークサイドに堕ちる動物たちは後を絶たず……。

 

 

頭部が真っ黒なトリケラトプス。目が白っぽく浮き上がっているのが、ただ者じゃない雰囲気。どう猛なティラノサウルスもしっぽを巻いて逃げだすレベルです。

 


Lemmon「実際のトリケラトプスは見たことないけど、この色合いでないことは確信できます」

 

 

クジラも深海の真っ暗な海から突然現れたような出来ばえに。歯が鈍く光っている点が、ヤバさを増しています。


所長「これ、完全に人間を噛みちぎるタイプの生き物ですね」

 

 

小型の馬・ポニー。牧場のふれあいコーナーなどでよく見かけますが、とてもふれあえない生物に変わりはててしまいました。ひょっとして、右半身が白いのか?


Lemmon「怖い!顔は変わってないはずなのに、この色だとさらに怖い!」

 

 

このペガサスも完全に闇堕ちしていますね。さきほどのポニー同様、奥にある脚と翼は薄い色なあたりに、人工知能の困惑ぶりがうかがえます。


所長「元の絵がシンプルだからこそ、色ですごく印象が変わります。こんなに虚無感のある顔つきになるとは……」

 

色を指定してみよう!

このように予想外の結果になってしまっても、それで終わりではありません!ツールバーから色を選んで線画に置いていけば、それをベースに自動で着色してくれます。

 

試しに、この夢も希望も失ったようなニワトリで色を指定してみましょう。

 

 


紅ぽてと「今年の干支が酉年なので描いたものなんですけど、ハッピーニューイヤー感ゼロですね」

 

 

パーツを全て塗る必要はなく、このようにちょんちょんと色を置くだけでOK。塗りたい部分を全て指定したら、あとは同じように「着色」ボタンを押すだけです。果たしてどんな結果に?

 

 

だいぶ色を取り戻しました!トサカとくちばし、脚にもしっかり色が塗られ、ニワトリらしくなりましたね。

 


所長「でも、まだ右側に不穏な影が残ってるんですけど……」

 

確かに、インクをこぼしたような部分が目立ちます。色を塗りたくない場所には、白を指定すれば解決できますよ。上記の状態で、背景に白を指定したのがこちら!

 

 


紅ぽてと「やっと明るくきれいな絵に!ハッピーニューイヤー感も出ましたね」

 

からだの部分にはうっすらと色が残り、いいグラデーションになっています。自力で塗るよりも味のあるニワトリかもしれません。

 

闇の世界に色を取り戻せ

この調子で、さっき黒くなってしまった動物に色を指定してみました。

 

 

真っ黒すぎて全員に衝撃を与えたレッサーパンダも、自然な感じに。


Lemmon「あ、動物園にいても大丈夫な色合いになった!顔も愛嬌があるように感じます」

 

 

トリケラトプスも緑をベースに色を指定すれば、この通り。

 


所長「図鑑なんかで見たことのある色だ!目も黒を指定したら、浮かずにつぶらな瞳になりました」

 

 

クジラは青をベースに、歯には白、吹き出す水には明るい水色を置いてみました。

 


Lemmon「人ではなく魚を食べるクジラになってくれました。歯が白いって大事なことなんですね」

 

 

ポニーもだいぶ「らしさ」が上がったのではないでしょうか。影になるところに濃い色を指定すると、グラデーションのおかげで立体感がアップ。


所長「まだちょっと不安な顔つきですが、このポニーなら乗馬体験できそうです」

 

 

ペガサスも無事、「天駆ける馬」感を出すことに成功。闇の世界から戻ってきてくれました。ちなみに本来ペガサスは角がなく、この絵のような角があるのはユニコーンだそうですよ。


紅ぽてと「ここにきてこまかい指摘は勘弁してください!!」

 

自分では思いつかない塗りもできる

絵によっては、イメージする色を直感的に置いていくのも楽しい使い方。

 

 

こちらは5色ぐらいをポンポンと置き、自動着色をした結果です。単に爬虫類っぽい色で塗るよりも、カメレオンの不思議な感じが出ているのでは?


Lemmon「背景は特に色を指定しませんでしたが、ビビッドな色になりました。こういう偶然がおもしろい」

 

 

ミミズクも幻想的なイラストに。なんだか絵本にでも出てきそう!


所長「自動着色したイラストに自分で塗りを重ねたり、加工したりする使い方もできますね」

 

色によっては、元のイラストと全く違ったテイストも作り出せます。

 

 

人気急上昇中のサーバルキャット。直感のおもむくままに色を指定してみたら、なにやら現代アート風に。気軽に「すごーい!」なんて言える雰囲気ではなくなってしまいました。

 

 

ペットとして人気の高い柴犬も、孤高の一匹狼に。線画からは想像できない、ダークでクールなイラストになりました。

 

うまく使えばお役立ちツールに!


所長「想像していた以上に精度が高く、おもしろい結果になるんですね。色を塗るのが苦手な人はもちろん、そうでない人にも役立ちそうなツールです」

 

人間はどうしても先入観や固定観念を抱いてしまいがち。そこに人工知能の助けを借りることで、思いもよらなかったプラスの成果が得られるかもしれません。

 

例えば新しいキャラクターをどんな色にするか悩んだときや、いつもと違う雰囲気の絵に仕上げたいと思ったときには、良い参考を示してくれそうです。

 


紅ぽてと「人工知能に何を描いたかわかってもらえないのは、少し凹みますけど……(苦笑)」

 

ちなみに、紅ぽてとのギリギリなイラストは今後もTwitterにてアップしていきますので、ぜひチェックを!

 

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さとうむか

WEBライター・編集として奮闘するゆとり世代。気になったもの、おもしろそうなものを記事にしてお届けします。ジャンルはクリエイターさん向けのものから、生活・仕事・雑学などなど広くやっております。

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