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模写やトレースは悪なのか?クリエイターとして知っておきたいこと。
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2022.02.21
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投稿者: yomogi
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こんにちは!営業兼イラストレーターのよもぎです!
今日のブログはイラストテクニックではなく
「模写やトレースは悪なのか?」
について書かせていただきます。
この問題への回答は少し複雑な部分もありますが
社会的問題として度々世間を騒がせる事態になっていますため
今一度、理解を深める機会になれればと思います。
一部、私個人としての意見も交えて
この問題に対して書かせていただこうと思います。
私個人の意見に関しては
読者の方のご意見とは異なる部分が出てくるかもしれませんため
その点は予めご了承いただけますと幸いです。
目次
■模写やトレースは悪なのか?
結論から言うと、決して悪ではありません。
ですが、使い方によって悪にもなります。
例えば料理包丁で人を斬りつける事件があった場合、
料理包丁が悪だとはみなさん思いませんよね?
使い方によって、人を傷つける武器になってしまっただけです。
模写やトレースも同様です。
使い方さえ気を付けていれば自身を高めるスキルになり得ます。
模写やトレースから技術を習得するのは
クリエイターのみならず、全てのことで有用と言えます。(料理など)
これからクリエイターを目指す方が
模写やトレースはしてはいけないことと
頭ごなしに思ってしまうのはとてももったいないことなので
次項の気をつけることを把握しておきましょう。
■大前提
模写・トレースしたものは
基本的にはSNSなど外部の目に触れる場所に公開はせず、
自分だけが見れるものとしましょう!
ではなぜ「基本的には」なのか。公開してもOKとなるパターンは3つあります。
その①
著作権、肖像権などが完全フリーなものであれば
模写・トレースをした作品の公開や販売をしても社会的問題にはなりません。
※ただし、配布元の指示(注意書き)には従いましょう。
その②
著作権・肖像権など権利を持っている人物や企業に交渉し、
了承を得ているのなら問題ありません。
その③
自身が撮影した写真であれば、自身に権利があるので問題ありません。
ただし、その撮影した写真内に
【他者が勝手に公開してはいけないもの】が
含まれている可能性もありますのでお気をつけください。
商標ロゴだったり等は削除して模写・トレースすれば問題ありません。
■了承を得るとは
たまにSNSにて驚きの行動をされている方を目にするのですが
「使用させていただきます!」という連絡をすればいいわけではありません。
きちんと了承を得ること(お許しをもらうこと)が重要です。
了承を得て使用させていただく際にも
「◯◯という参照元があります。」のような記載が必要な場合や
無料公開はいいけど商用利用はNGなどありますので
きちんと権利者の指示に従って対応を致しましょう。
「知らなかった」では済まないことですので
大前提とともにしっかりと念頭に置いていきましょう。
■模写・トレースにてよく問題になること
問題の大半は前述した大前提を守っていないことです。
グーグルなどで検索した画像やSNSで拾った画像を
そのまま模写・トレースをして公開する、そういう問題が本当に多いのが事実です。
ただ、普遍的なポーズを模写することは
問題にならない場合もあります。(トレースはNGです)
例えば腕組みをしているポーズだったりなどは
似た構図、ポーズがあまりにも世の中に溢れているため
権利を侵害していると判断されづらいのです。
(だからと言って完全OKではありません。グレーといった形です)
ですが、ファッション誌などに掲載されている
個性的なポーズなどの模写は公開を控えた方が無難です。
個性的なポーズで馴染みのあるものを例としますと
ジョジョ立ちと呼ばれるポーズには参考元が多いのですが、
許可を得ていないのであれば黒寄りです。
(荒木先生及び集英社様が
許可を取っているかが分からないので、これ以上は言及致しません。)
悪質な人は模写・トレースだとバレないように
元素材を反転して模写したり、アクセサリーなどごく一部分だけ変更をしたり、
手書き風アレンジ、男女の性別を変えるなどありますが
勿論これらも権利を侵害している行為です。
とにかく模写・トレースしたものは公開しない!それに尽きます。
製作者の画力や技術不足で元画像とあまり似ていない場合や
「自分はプロや企業ではなく、アマチュアだから大丈夫でしょ」も通用しません。
ただ、あまりにも元画像と乖離がある場合には問題視されない可能性もあります。
しかし、あくまで権利者がそれを許すかどうかの問題ですので
模写・トレースをした側に何も権利はないこと、
賠償金を求められれば双方で誠意を持って話し合うしかありません。
■模写・トレースではなく”参考にする”ことはどうなのか
参考にすることは問題になりません。
洋服の資料を見て、ポケットの位置などを参考にして
魔法使いのローブをデザインすることや
参考にした服にポケットをつけて、フードもつけて、フリルもつけてみて・・・
というような自身のオリジナルを生み出せば問題ありません。
「これはあくまで参考です」と言い張るには
参考元と制作したものが誰が見ても相違していることが大前提です。
画像を重ねて線が一致しないなどは当たり前なのですが
花柄を星柄にしました程度では難しいです。(配置デザインや大きさが一致すると仮定して)
それだけオリジナルというのは権利があるのです。
■なぜ模写・トレースをしてしまうのか?
「人様のデザイン、アイディアを拝借した方が楽に作れるから。」
「SNSなどに投稿してあるものは全て勝手に使っていい無料素材だと思っているから。」
「アイディアが生まれず、納期に間に合わせるためにダメだと分かっていながら・・・。」
「社内でのイメージ共有として模写ラフを提出していたのがいつの間にか本採用に・・・。」
事情は色々ありますが
「ごめんで済んだら警察はいらない」という格言通りです。
その他に、下記のようなケースで模写・トレースが助長されることがあります。
模写・トレースを勝手にされた側(権利者側)が
製作者のファンであり、
自身が作品化されたことに喜んだ場合です。
自身がSNSに挙げていた写真を
勝手にイラスト化されているのを見つけたがファンだったので
「イラスト化してくれて嬉しい!ありがとうございます!」というパターンです。
こういう形で許してしまった際、製作者は
「プロの自分が作品を作ったのだから喜ばれて当然!」という状態になる場合があります。
ファンの方の気持ちは理解できますが
大人の対応として「参照元表記をお願いします!」のように連絡をすることで
模写・トレース問題の解決の一歩になっていくと思います。
ただ、上記のように権利を侵害された側がわざわざ連絡するのって
どう考えても理不尽でおかしい話ですよね・・・。
悲しいことだと思います。
■終わりに
著作権などの権利問題は
大企業であれど過去にたくさんの事例があります。
事例の中には
企業側は故意に権利を侵害してしまったのではなく
発注したイラストに模写などの疑いがないかのチェックを怠ったために
回収騒ぎになるなどの問題も多発しています。
一つ一つ模写かどうかのチェックなんか出来るわけないだろ!
という声もあるかもしれませんが
全くの部外者の方が調査して見つけ出していることが実例として多いため
企業側もチェック体制を整えなければいけない時代なのだと思います。
以上!
この記事が読者の方の役に立つものになっていることを願っています。
それではまた次のブログで。
さようなら〜
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