所長の挑戦!イラストレーターが本気でVRお絵描きしてみた!

投稿者: 


あなたはイラストを描くとき、どんなツールを使っていますか。ペンタブ?タブレット?それともお絵かき帳に鉛筆、でしょうか?

 

実は今、これまでとは全く違う新しいツールが登場しているんです。 それがGoogleのソフト「TiltBrush」

 

ヴァーチャルリアリティ(通称「VR」)空間内でお絵描きができてしまうんです。
2016年は「VR元年」といわれ、ゲーム業界では身近な日本企業SONY社や、Facebook社などもVR空間を体験できるヘッドマウントディスプレイタイプといわれる機種を販売しています。

HTC社製 HTC Vive

 

この四角い箱がついたヘルメットバンドのようなものが、ヘッドマウントディスプレイです。
これを頭にかぶるとみえる景色が、こちら。

 

こちらがVR空間です。(所長のブラシテストしたときの図)

 

背景を宇宙に変えることもできます。

 

この中で絵が描けるのです。つまり、お絵描きの平面からの脱出!コレってすごくないですか?!
と力説してみたところ…。

 

icon所長:「すごい!そう言えば、イラストレーターが本気(ガチ)で キャラクターイラストに取り組んだ作品は少ないと思うんですよね! 本気(ホンキ)でVR空間でお絵描きしてみたい!!!」

 

鈴木「なんですと!そんな所長の思いに応えてくれる場所があるんです!!行きましょう!!!!」

 

 

「ドスパラVRパラダイス」に来ました。

 

今回、所長の「VR空間で本気でイラストを描いてみたい!」というアツい思いにご協力くださったのは、株式会社ドスパラさん

 

全国で「ドスパラVRパラダイス」というVR体験施設を運営されています!(要予約)

左の方が、ドスパラさん広報担当の勝亦(かつまた)さんです。

 

勝亦さん「こんにちは!株式会社ドスパラ広報部の勝亦です。『ドスパラVRパラダイス』にようこそ」

 

所長「今日はよろしくお願いしますー!前からずっとやってみたかったんです!」

 

じつは、この日が「初VR体験」な所長。


VR体験は、体調・体質によっては気分が悪くなってしまうこともあるのだそうです。
参考資料:HTCVive安全規制ガイド

※VRパラダイスさんでVR体験するときは、スタッフさんの注意をよく聞いて体験してくださいね!


果たして、アツい思いで絵を描ききることができるのか?!

 

 

ついにVRデビュー!まずはお手本から…

 

まずは勝亦さんがお手本をみせてくれます。

 

 

勝亦さん「木をお手本に描いてみますね。このコントローラーを手にもって、描いていきます…。」

 

所長「慣れた手つき!シャシャシャーッとどんどん描いてる、すごい!」

 

いよいよ所長も初めてのVR体験。

初めてヘッドマウントディスプレイにてVRを体験した人がとりがちなポーズ。

 

所長「こ…これがVR…臨場感がありますね。自分の手足や現実に見えていたものが、完全に別世界へ切り替わっています。他の人の声が聞こえても、VR空間では見えないので余計に方向感覚がずれそう。ふわふわしますね…!」

 

 

ひたすらキョロキョロぐるぐるする所長。

 

所長「いろいろ動かしてみていますが、やっぱり自分の手足が視界に入らないので不思議な感じ…。」

 

 

 

VRお絵描きソフト「TiltBrush」における、イラストレーターに必須な「ツール」 はコレ!

 

所長「ツールが立体的ー!!!!普通にパソコンで使っているソフトというより、アナログの絵の具パレットを持つ感覚に近いかな。ちょっと筆もパレットも重い感じがしますね」

 

 

デモンストレーション

 

 

勝亦さん「まずは球体をつかって、感覚をつかんでみましょうか」

 

練習として、球体に顔を描画してみます。

 

所長「おおお!ペンがペンタブに物理的に当たっている感覚がない…!描いてるのに描いてる感じがしない!でも描ける!すごく不思議!感覚をつかむ、というのはやっぱり大事なんですね…これを描くだけでも、緊張でぷるぷるしています」

 

という所長をひいて見ると…こんな感じで格闘中。

見守る勝亦さんの目も真剣。

 

 

いよいよ本番環境でお絵描き!

 

さて、今回所長は「VR空間でこの娘を描こう!」と事前に準備してきました。

ここからは、段階を追って所長が本気で挑んだイラストの軌跡をご確認ください。

 



 

手順1:顔の輪郭を描く

PCでの作業と同じように、アタリをつけて描いていきます。

 

手順2:輪郭から顔の面を塗る

「フェイスラインは立体感を出すため、トーンを落とした色を選びました。本来PC環境での作業だと1クリックで肌色が全部塗れるのですが…今回は太い筆で中からハケのように塗りつぶす作業が必要でした。」

 

手順3:髪の毛の輪郭

補助線を描いた上から、メインカラーで輪郭を描きます。

 

輪郭を描き終わったところ。

 

手順4:髪の毛のベースカラー

少し幅の広いブラシを使い、全体的なフォルムを描いて行きます。

 

手順5:髪の毛のハイライト

明るめのトーンの色でハイライトをいれます。使ったブラシはグラデーションブラシ。

 

手順6:もみあげを描きたす。

平面での作業とちがうのは、もみあげを実際に手前に描くこと。

 

手順7:アホ毛も描きたす。

アホ毛も同じく立体的です。

 

髪の毛と顔が完成。

ここに至るまで2時間半かかっています…!

 

所長「髪の毛の質感表現。はじめてにしては良くできたような気がします!ただ…1本1本描くので、集中力が必要ですね」

 

少し疲れが見えてきた所長。いったん休憩をはさみます。


(VR体験中、疲れや目の違和感などを感じたら適度に休憩を入れてくださいね!)

 

 

臥竜点睛!!

 

さて次は目を描いていきます。

 

手順8:目の位置のアタリをつける。

「あとで削除する前提で補助線を引きます。アタリをとるために鼻も描いていたのですが、鼻のライン1本で6回ほど描き直しました…。どうしてもバランスがつかめなくて…苦労しました。」

手順9:まつげを描く

はじまりはまつげから。

 

手順10:白目を描く

「目の位置を何度も確認して顔のバランスをとったのですが、なかなか難しい!肌に食い込まないように描くのが大変でした。」

 

手順11:瞳のベースを描く

「リアルと2次元の狭間で迷いながら瞳のベースを描いていきます。普通の眼球のような立体感だと印象が怖くなりそうだったので、横から見ながら、なるべく平面になるように白目の上に盛り付けていきました。」

 

 

ここまで描いて、タイムアーップ!

所長「む、無念です…。」

 

 

初めてのVRお絵描きは…

 

勝亦さん「おつかれさまでした」

 

所長「普段描いてるイラストですが、VR空間で描くことがこんなに難しいとは思いませんでした…!」

 

勝亦さん「でも、初めての体験なのにすごく速かったですよ!」

 

所長「ありがとうございます!VRお絵描きの特徴をまとめると、こんな感じでした。」

 

 

感動ポイント
・アナログでもできる”自分の体を大きく動かして描く”という体験。VRお絵描きだとその筆跡や描かれていく過程を、第三者も同じ視点で体験できる!
(たとえば憧れの作家さんがVRお絵描きをしたら、作家さんと同じ視点でその筆跡を体験できるんです。これって最高じゃないですか?!)
・普通はできない”お絵描きのなかにお絵描きをする”という体験ができる。

 

 

困惑ポイント
・ペンが面に当たる感触がない。
・自分の手足が空間内に見えないので、遠近感があやふや。VRキャンバスの背景が頼り。
・立ったままぐるぐる回って描くのが途中からしんどくなったため、椅子に座った。そうしたら集中できて、よりスイスイと描けるようになった。
・ずっとコントローラーを持っていたので、途中から腕が疲れた。

 

おどろきポイント
・ペンツールの消しゴムが一筆ごとの消去。普通のペンタブのように”削る”というアクションになったら、もっと表現の幅が広がるかも…?

 

 

所長「結論をいうと、VRお絵描き、めちゃくちゃ楽しかったです!追求してみたい!イラストの表現の幅をもっと広げたい!VR お絵描きはもはやイラストレーションというより、インスタレーションアートの分野に近いのでは?と感じました」

 

 

ドスパラさん、本当にありがとうございました!!!

 

 

(後日時間をいただいて、完成させた作品がこちら!)

 

今までのお絵描きツールの代替、「体験するお絵描き」としての可能性が無限大、のようです。「TiltBrush」はイラストレーターさんも要チェックですよ!

なおヘッドマウントディスプレイによるVR体験には「プレイできない年齢や病気、体調」が存在しています。体験前には必ず取扱説明書を読んで下さいね!

 

VRお絵描きの魅力にはまってしまった所長。

所長「いろいろなブラシの機能やテクニックを学んだので、今後それをお伝えする連載したい!」

 


おっとこれは…?新しい連載企画が始まるかも!? どうぞお楽しみに!

The following two tabs change content below.
Avatar photo

4piko

二足のわらじ系ライター4pikoです。クリエイターさんライフに役立つ情報を提供します◎ VRをはじめとするテクノロジー・メディアアート・二次元(主に声優)・自転車が守備範囲。あとごちそう。instaでごちそう歳時記をお送りしています。 ID:4piko

コメントを残す