これは知っておきたい! ゲームシナリオライターに必要なこと 第九回

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みなさんこんにちは! 紅ぽてとです。

不定期に更新してきたこのブログも第九回になりました。

 

ゲームのシナリオライターになるために必要なことや

私が普段のお仕事で気をつけていることをお伝えするこのブログ。

本日は「書き終わったら提出前にやること」です!

 

 

1.レギュレーション(ルール・決まりごと)の確認をする

 

まず最初に行いたいことはレギュレーションの確認です。

これまでの記事を読んで頂いた方はご存知かと思いますが、

私は何度もレギュレーションを守ることは大事ということを伝えてまいりました。

 

 

画面サイズの関係から一度に表示できるキャラクター数が決まっていたり、

画面の関係から、一つのセリフの最大文字数が決まっていたり、

キャラクターの口調や専門用語の解釈にも気をつけたいところです。

キャラクターや組織名に一般的ではない漢字を当てられている場合もありますので、

こういった箇所も注意が必要です。

 

普段からクライアントの話していることを細かくメモし、

クライアントから資料が送られているようであれば、それと付き合わせて、

細部に至るまで確認をするようにしましょう。

 

 

2.話に矛盾や不自然な点がないか確認をする

 

これについては非常に自分でのチェックは難しいのですが、

提出をする前に一応矛盾が無いかを確認するようにしましょう。

予めプロットを用意してから書き進めていても、

細かい部分での矛盾には気づかないことはままあります。

 

例えば私がまだシナリオを初めて間もない頃、

「伝説の剣を持った主人公によるトドメの一撃で怪物が倒される」シーンをクライアントに依頼されました。

 

この時私は、日頃ゲームで培った経験を活かし、

(1)まずは主人公(戦士)が怪物をひきつけて

(2)仲間(魔法使い)が魔法で怪物の体力を削り

(3)怪物が弱って来たところで主人公が一撃を加える

という形でシナリオを書いて提出しました。

実際MMORPGなどでは戦士役が敵をひきつけて、魔法使いの強力な魔法で一掃しますよね。

ですが、クライアントからは

「主人公が決め手を持っているのに、主人公が敵をひきつけたらおかしいのでは?」と指摘を頂きました。

 

「なるほど、確かに決め手を持っている人の攻撃を当てるためには、

他の人を狙っている隙きに攻撃をした方が良いかも知れない。

むしろ、魔法使いの攻撃で弱らせられるんなら、

この怪物が普段戦っている敵とあんまり変わらない印象を受けてしまうそう」

と思い至った私は、

クライアントに指摘された通り、紙装甲の魔法使いが、

主人公が攻撃を当てやすくするように逃げ回るという形に修正をいたしました。

 

結果どこか、戦闘シーンにしては少しコミカルにはなりましたが、

仲間の魔法使いがもともとそういうキャラではあったので、

よりその作品らしい戦闘シーンになったと思います。

 

このように自分ひとりでは矛盾に気づけない点もありますので、

こういう場合は素直にクライアントや仲間に一度読んでもらって

矛盾している点はないかを確認するといいと思います。

 

ただし、ほとんどの案件では守秘義務がありますので、

情報の共有には細心の注意を払うようにしましょう。

 

3.誤字脱字のチェックをする

本日のブログでこちらが一番重要な点になりますが、

誤字脱字は厳重に注意をするようにして下さい。

誤字脱字が非常に多く、

毎回のようにクライアントに怒られてしまう私が言えることではありませんが、

誤字脱字がよくない理由は次の2点があげられます。

 

一つはクライアントの手間になってしまうこと。

もちろん、クライアントはレギュレーションを含めて誤字脱字のチェックなどを行いますが、

数が多くなってくると非常に手間です。

こういう仕事をしていて気づいたことですが、

読む人は漢字の間違いなどに気づかずそのまま読んでしまうことも多々あります。

 

チェック要員の方も一回読んだだけでは気づかず、

ミスプリを逃さないようにチェックするのは少なくない手間がかかります。

 

またもう一つの理由は、誤字脱字が多いと

それだけ、「この人、提出前に読み返してないな」とクライアントに

印象付けてしまうためです。

 

せっかく同じお仕事をお願いするのであれば、

細かいところまで気を配ってくれる方と組みたいと思うのは誰でも同じことです。

今後も似たような小さいミスが出てくるようであれば、

もう他の方にお願いをした方がいいですよね?

心証も悪くなりますので、迷ったら辞書を引いてでも間違いの無いようにしましょう。

 

とにかく提出の前に何回も読み返す!

本日の内容をまとめると、「提出前に何度でも読み返す」ことが重要になります。

私自身も追い込まれないと話が思い浮かばない(ような気がする)ので、

あまり偉そうなことは言えませんが、

 

何度でも推敲をする時間を残して、余裕を持ったスケジュールを組める様になれば、

あなたならクライアントに信用される立派なライターになれるはずです。

 

ただし……

推敲をしすぎて、何が正解かわからない、提出できない、とはならない様にしましょう。

もし迷ってしまったようであれば、いっそのこと「ここで迷っています」と一言添えて

クライアントに提出する方が正しいです。

 

クライアントはシナリオだけではなくイラストや音楽、

場合によっては声優さんのアサインも担当をしています。

他の成果物の観点から的確な判断をいただけることもあります。

はたまた全く別の方面から全く想定をしていなかったアドバイスを

いただけることもあるかも知れません。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

特にゲームのシナリオは面白い話を作れることはもちろんですが、

レギュレーションを守ることも非常に重要になります。

ゲームのシナリオライターを目指す皆さんは構成力や語彙力の他に、

レギュレーションを把握する理解力も培いたいところですね。

 

それではまた次回!

次回はいよいよ最終回!

私、紅ぽてとのシナリオの仕事の進め方をご紹介します!

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紅ぽてと

日々、煉獄式戦闘シミュレータを開発している暗黒大公。 束の間の安息の際にも天界の戦闘シュミレータを分析するなど、競合分析に余念がない。 その様子はまだ人とその他の者が分かたれていなかった時代の召喚獣の様だと言われている。 特技はドラゴン狩り。自らを雷神と名乗り、大罪の炎を使う。紫煙が切れると右手が疼く。

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